正しく古いものは永遠に美しい
2025年12月18日 09:25

私たちの暮らしの中では、新しいものが次々と登場します。
便利で魅力的ですが、その一方で古いものは「もう役に立たない」と思われがちです。
けれども、本当に価値ある古いものは、時間が経っても美しさを失いません。
むしろ、年月を重ねることで深みを増していくのです。
例えば、祖父母が使っていた木の机。
表面には傷が残っていますが、それは長い時間を共に過ごした証です。
新品にはない温かさや安心感を与えてくれます。
古いものが美しいのは、単なる物ではなく、人の思い出や歴史が染み込んでいるからです。
伝統工芸の器も同じです。
形や模様の背後には、職人の技と心があります。
流行に左右されず、世代を超えて受け継がれてきたものは、普遍的な美を持ち続けます。
ここで大切なのは「正しく古い」ということ。
つまり、丁寧に作られ、誠実に使われ、守られてきたものこそが永遠の美を宿すのです。
人間関係にも似たところがあります。
長く続く友人との絆は、派手ではなくても心を支えてくれます。
新しい出会いが刺激を与えてくれる一方で、古い関係は安心と信頼をもたらします。
時間をかけて育まれたものは、簡単には壊れない強さを持っています。
「正しく古いものは永遠に美しい」という言葉は、私たちに今あるものを大切にする視点を与えてくれます。
新しいものを追い求めるだけでなく、古いものの中に潜む価値を見直すこと。
それは過去と現在をつなぎ、未来へと受け渡す知恵でもあります。
時代が変わっても、正しく古いものは静かに、そして確かに、美しさを放ち続けるのです。