背伸びをやめて、自分らしく
2025年09月19日 09:25

私たちはつい、周りの人に良く見られたいと思ってしまいます。
仕事ではバリバリと成果を出しているように見せかけたり、プライベートでは流行に敏感でおしゃれな自分を演出したり。
そうして「かっこいい自分」を演じようと、本当の自分とは少し違うキャラクターを生きている人は、意外と多いのではないでしょうか。
でも、その背伸びは、気づかないうちに自分自身を苦しめているかもしれません。
例えば、知ったかぶりをしてしまうこと。本当は知らないのに「あー、それね!」と話を合わせてしまう。
その場はしのげても、後で「あの人、本当は知らないんじゃないかな」とバレてしまうリスクを常に抱えることになります。
また、無理をして周りに合わせることで、本当の自分の意見が言えなくなり、ストレスをため込んでしまうこともあります。
完璧な自分を演じ続けるには、常に神経を張り巡らせなければなりません。
それはまるで、重い鎧(よろい)を着てマラソンをするようなものです。
最初は頑張れても、いつか息切れしてしまいます。
そして、ふとした瞬間に鎧が脱げてしまったとき、そのギャップに自分が一番傷ついてしまうかもしれません。
では、どうすれば良いのでしょうか。
それは、「かっこつけるのをやめる」ということです。
知らないことは「ごめんなさい、知らないです」と素直に言う。
できないことは「ちょっと苦手で…」と正直に伝える。
そうやって、自分の弱さや不完全さをありのままにさらけ出すこと。
最初は少し怖いかもしれません。
相手にがっかりされるんじゃないか、馬鹿にされるんじゃないか、そんな不安がよぎるでしょう。
しかし、意外なことに、正直な人には信頼が集まるものです。
人は、完璧な人よりも、弱さも見せられる人に親近感を感じるからです。
そして何より、自分自身が楽になります。
鎧を脱ぎ捨てて、軽やかな気持ちで生きられるようになります。
完璧な自分を演じるために使っていたエネルギーを、本当にやりたいことや、好きなことに使えるようになります。
完璧な人間なんていません。
みんな、それぞれの弱さや不完全さを持っています。
そのことを認め、受け入れる勇気を持つこと。
それが、本当の意味で自分らしく生きる第一歩になるのではないでしょうか。
背伸びをしない生き方は、決して「かっこ悪い」ことではありません。
むしろ、自分自身を大切にする、とても「かっこいい」生き方だと私は思います。