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面授

2026年06月19日 09:58


あなたは「面授(めんじゅ)」という言葉を聞いたことがありますか?


少し難しい言葉ですが、漢字をよく見ると意味が見えてきます。


「面(かお)」を合わせて、「授(さず)ける」。


つまり、人と人が直接会って、大切な教えや思いを伝えていくことをいいます。


今の時代、スマホやパソコンがあれば、知りたいことは何でもすぐに調べられます。


でも、本当に大切なことは、画面の中だけでは伝わらないことがあります。


今回は、昔から人から人へと直接伝えられてきた「心の宝物」についてお話しします。


一、一つの場所を大切にする「一所懸命」


私たちがよく使う「一生懸命」という言葉。


実はもともと「一所懸命(いっしょけんめい)」と書いていました。


昔の武士たちは、自分に与えられた「一つの場所(土地)」を命がけで守りました。


その土地があるからこそ、家族がご飯を食べられ、子どもたちが元気に育つことができたからです。


「どこでもいい」ではなく、「今、自分がいるこの場所」を宝物のように大切にする。


そんな心の持ち方は、何百年も前から先生から弟子へ、親から子へと直接語り継がれてきました。


二、心を整える「整理と整頓」


あなたは学校や家で「整理整頓(せいりせいとん)をしなさい」と言われることがありますよね。


でも、この二つの言葉の違いを知っていますか?


実は、「整理」は「いらないものを減らす作業」のことです。


そして「整頓」は「使ったものを元の場所に戻せるように並べる作業」のことをいいます。


ただ片付けるのではなく、次に使う人が困らないように、あるいは自分がまた気持ちよく仕事ができるように準備しておく。


これも、誰かが誰かに「こうすると心が落ち着くんだよ」と、そばで教えてくれた知恵なのです。


三、自分を一つにする「身口意(しんくい)」


もう一つ、昔から大切にされてきた教えに「身口意(しんくい)」というものがあります。


・身(しん):自分の行動 ・口(く):自分の言葉 ・意(い):自分の心


この三つをバラバラにせず、一つに合わせるということです。


例えば、心の中では怒っているのに、口では優しいふりをして、体は乱暴に動いていたら、自分自身が疲れてしまいますよね。


自分がやるべきこと、言うこと、思うことをピタッと合わせると、心はとても穏やかになります。


これは本を読むだけではなかなか身につきません。


実際にそうやって生きている人の姿を近くで見て、「ああ、あんなふうになりたいな」と感じることで伝わっていくものなのです。


四、なぜ「直接会うこと」が大切なのか


今は、会わなくてもメールや電話で情報を伝えることができます。


でも、直接会って話をするとき、私たちは言葉以外のものも受け取っています。


相手の優しい目の動き、楽しそうな声の響き、そしてその人がまとっている「温かい空気」。


これらは、直接会って「心の距離」が近くなったときにだけ感じられる不思議な力です。


「面授」によって伝えられるのは、ただの知識ではなく「熱(ねつ)」です。


一生懸命に生きている人の熱が、直接会うことであなたの心にもポッと火を灯してくれる。


そうやって、大切な教えはバトンのように未来へとつながってきました。


結びに――「今」を大切に生きる


「今日という日は、あなたが一番若い日」という言葉があります。


時間は過去から流れてくるのではなく、未来からやってくるものだと考えることもできます。


これからあなたも、たくさんの素敵な人に出会うでしょう。


もし「この人のようになりたいな」と思う人に出会ったら、その人の言葉やしぐさを、直接会ってしっかり受け取ってください。


知識はインターネットで手に入りますが、心は人と人のふれあいの中で育ちます。


あなたも、誰かからもらった心のバトンを、いつかまた誰かに優しく手渡せるような、そんな素敵な人になってほしいと願っています。