自分自身から逃げる
2025年11月19日 09:20

人は誰しも、何かから逃げながら生きている。
しかし最も厄介なのは、「自分自身から逃げる」ことだ。
自分の弱さを認めたくない。
失敗を直視したくない。
本当の気持ちに向き合いたくない
——そんな時、人は巧妙に自分から目を背ける。
忙しさに紛れ、娯楽に没頭し、他人のせいにする。
一見すると前に進んでいるように見えても、実は自分という存在から必死に逃げ続けているだけなのだ。
自分から逃げることの恐ろしさは、気づかないうちに人生の主導権を失うことにある。
本当はやりたくない仕事を続け、本音を言えない関係性に縛られ、心の声を無視し続ける。
そうして積み重なった違和感は、いつか「これは本当に自分の人生なのか」という深い空虚感に変わる。
なぜ人は自分から逃げるのか。
それは、自分と向き合うことが恐ろしいからだ。
自分の欠点、限界、過去の過ち
——それらを直視することは痛みを伴う。
変わらなければならないと分かっているのに、変化への恐怖が足を止める。
現状維持という名の逃避が、最も楽な選択肢に見えてしまう。
しかし、逃げ続けた先に待っているのは、さらなる苦しみだ。
問題は消えない。
むしろ時間とともに大きくなり、より深刻な形で立ちはだかる。
自分を偽り続けることは、魂を少しずつ削っていく行為に他ならない。
自分と向き合うことは、確かに勇気がいる。
だが、そこにこそ本当の自由がある。
弱さを認めることで強くなれる。
失敗を受け入れることで成長できる。
本音を語ることで、本物の関係が築ける。
自分から逃げることをやめた瞬間、人生は動き始める。
鏡の中の自分と目を合わせよう。
「今、本当はどう感じているのか」
「何を恐れているのか」
「本当は何を望んでいるのか」
——その問いに正直に答えることから、すべてが始まる。
自分自身から逃げないこと。
それは人生で最も難しく、そして最も価値ある挑戦だ。