個人事業主が会社設立するベストなタイミングは?売上と利益の目安を分かりやすく解説
2025年06月25日 10:49
「いつかは自分の会社を…」と考えている個人事業主の方は多いのではないでしょうか。
しかし、どのタイミングで会社にすれば良いのか、判断が難しいですよね。
実は、会社を設立する(法人化する)タイミングを見極めるには、いくつかの重要なサインがあります。
今回は、個人事業主から会社設立を考えるべき具体的なタイミングについて、分かりやすく解説します。
一番の目安は「利益」!800万円の壁とは?
最も分かりやすい判断基準は、事業の**利益(売上から経費を差し引いた金額)**です。
一般的に、年間の利益が800万円から900万円を超えるようであれば、会社設立を検討する大きなチャンスです。
なぜなら、個人事業主にかかる「所得税」と、会社にかかる「法人税」の税率の違いがあるからです。
個人の所得税は、利益が大きくなるほど税率も高くなる「累進課税」という仕組みです。
一方、法人税はある程度税率が一定です。
そのため、利益が800万円を超えたあたりから、個人事業主のままよりも会社にした方が、支払う税金が少なくなるケースが多くなるのです。
これが「800万円の壁」とも呼ばれる理由です。
売上1,000万円も重要なタイミング
利益だけでなく「売上」にも注目しましょう。
年間の売上が1,000万円を超えると、その2年後から消費税を納める義務が発生します。
しかし、新しく会社を設立すると、原則として設立から最大2年間は消費税の納税が免除される制度があります。
(※資本金1,000万円未満などの条件あり)
これは非常に大きなメリットですので、売上が1,000万円に近づいてきたら、会社設立を具体的に計画し始める良いタイミングと言えるでしょう。
こんなサインも会社設立のチャンス
税金以外にも、以下のような状況は会社設立を後押しするサインです。
大きな契約や取引をしたいとき:社会的な信用度が上がり、大企業や金融機関との取引がスムーズになります。
資金調達や融資を受けたいとき:個人事業主よりも会社の方が、銀行などからの融資を受けやすくなります。
人材を雇用したいとき:社会保険への加入が義務になるなど、福利厚生を充実させられるため、優秀な人材が集まりやすくなります。
まとめ:自分の事業のステージに合わせて判断しよう
会社設立は、税金面でのメリットが大きいですが、設立費用や社会保険料の負担、事務作業の増加といった側面もあります。
まずは**「利益800万円」と「売上1,000万円」**という2つの数字を目安に、ご自身の事業の将来像(もっと大きくしたいか、現状を維持したいかなど)と照らし合わせて、ベストなタイミングを見極めることが大切です。
もし迷ったら、一度、税理士などの専門家に相談してみることをおすすめします。